富山県 下新川郡 朝日町 笹川

ほたる炭 蛍の飛びかう里の、堅木炭。

硬い木と書いて、堅木(かたぎ)。
里山から伐り出した堅木の原木だけを、
土で築いた窯で、五日間かけて焼き上げる。
かつて二十人いた炭焼きは、いま二人になりました。

SCROLL

ABOUT

富山県朝日町・笹川で焼く、
堅木の黒炭。

「ほたる炭」は、富山県下新川郡朝日町・笹川で焼かれている国産の木炭(黒炭)です。

原料は、堅木(かたぎ)と呼ばれる硬い広葉樹の原木。ナラ、ケヤキ、サクラを、里山から自ら伐り出します。重い木ほど、炭も硬く締まります。

焼くのは、土を積んで築いた窯。温度計はありません。火を入れてから五日間、煙の色と匂いだけで空気を調整し、七日間かけて冷ます。一窯に、およそ十二日かかります。

かつてこの集落には二十人ほどの炭焼きがいました。いま焼いているのは、二人だけです。

  • 01 原木堅木100% ナラ・ケヤキ・サクラなど広葉樹の原木だけを使用。おが炭・成型炭は使いません。
  • 02 火入れ5日・冷まし7日 土窯につきっきりで、煙と匂いだけを見ながら炭化を見極めます。
  • 03 残る職人は2人 かつて20人いた笹川の炭焼き。いまは竹内伸さんと折谷孝良さんの2人です。
ほたる炭の断面。放射状に割れ目が走る、よく炭化した堅木の黒炭
よく炭化した堅木の断面。放射状に走る割れ目が、良い炭の目印です。
富山県朝日町笹川の土窯の前で、焼き上がったほたる炭を選別する窯出しの様子
窯出しの日。焼き上がった炭を、その場で選別して袋に詰めます。

DIFFERENCE

市販の炭と、何が違うのか。

同じ「炭」でも、原料と焼き方が違えば、火の性質はまったく別のものになります。

01

火持ちがよい

密度の高い堅木の原木を、じっくり炭化させています。すぐに崩れず、長く熾(お)きつづけます。

02

火力が強い

硬く締まった炭は、遠火の強火になります。表面は香ばしく、中まで火が通ります。

03

匂いが少ない

炭そのものの匂いが少ないほど、食材本来の味が引き立ちます。素材で勝負したい料理ほど、差が出ます。

04

ぜない

安価な炭が弾けるのは、内部に水分や未炭化の部分が残っているためです。中心まで炭化させたほたる炭はぜません。火の粉が飛ばないので、屋外でも室内の七輪でも安心して使えます。

「炭が違うと、こんなに違うのか」。
そう言っていただけるのが、この仕事を続けている理由です。

OUR CRAFT

ほたる炭の、四つのこだわり。

堅木(かたぎ)の原木だけを焼く

硬い木と書いて、堅木。目の詰まった重い広葉樹のことです。柔らかい木や端材を混ぜれば量は稼げますが、炭はもろく、灰っぽくなる。堅木の原木だけを、山から自ら伐り出して窯に詰めます。

土で築いた窯で、五日間

土を積み上げてつくった炭窯で、五日間つきっきり。炭化を見極めたら空気を断ち、七日かけて窯の中で冷ましきります。急がないことが、そのまま質になります。

煙と匂いだけで、空気を読む

決まった時間割はありません。木の太さ、乾き具合、天気、風。同じ窯でも毎回違います。頼りは煙の色と匂いだけ。それを見ながら焚き口と排気口の大きさを変えて、空気の量を調整します。

この微調整が、そのまま出来を決めます。数字にできない部分です。

伐り出しから袋詰めまで、手作業

木を伐り、切り揃え、窯に詰める。焼き上がれば掻き出し、鋸で揃え、選り分けて袋へ。工場ではないので、一度に焼ける量はわずかです。

袋の中の一本一本に、人の手が触れています。

使うのは、里山の広葉樹。

木の種類で、火のつき方も持ち方も香りも変わります。これらを選り分けず、混ぜて一つの炭に焼き上げています。

ナラ

火力があり、火付きもよい。扱いやすさで言えば、これが一番。黒炭の代表的な原木です。

ケヤキ

火持ちがよく、火力も非常に強い。そのぶん少し火が付きにくいのが特徴です。

サクラ

料理に使うと、とてもよい香りが立ちます。燻製のサクラチップと同じ、あの香りです。

PROCESS

炭ができるまで。
火入れ五日、冷まし七日。

一窯の炭が生まれるまでには、山に入る日から袋を閉じる日まで、およそ十二日間かかります。

  1. STEP01

    山に入り、堅木を伐る

    許しをもらった山に入り、チェーンソーでナラやケヤキを伐り出します。炭焼きは、里山の手入れとひと続きの仕事です。

  2. STEP02

    決まった長さに切り揃える

    窯に合わせて、木を規定の長さに玉切りします。ここが揃っていないと、窯にきれいに詰まりません。

  3. STEP03

    窯を詰める

    木を立ててびっしり詰めます。隙間の空き方ひとつで火の回りが変わるため、太い木と細い木の組み合わせを考えながら並べます。

  4. STEP04

    火入れ、そこから五日間

    ここからが本番。煙の色と匂いを見ながら、焚き口と排気口の大きさを変えて空気を調整します。昼も夜も、窯から離れられません。

  5. STEP05

    窯を止め、七日かけて冷ます

    焚き口と煙道を土で塞ぎ、空気を完全に断ちます。七日かけて冷ましきる。ここを焦ると、炭になりません。

  6. STEP06

    窯出し・切り揃え・袋詰め

    鋸で使いやすい長さに切り揃え、大きさごとに選別して袋へ。この日はじめて、一窯分の出来が分かります。

煙をあげながら炭化が進む、富山県朝日町笹川の炭焼き土窯
火の入った窯。この煙の色と匂いだけが、窯の中を知る手がかりです。
窯出し。熱の残る土窯から焼き上がったほたる炭を運び出す作業
窯出し。まだ熱の残る窯から、炭を掻き出します。

CARBONIZATION

「炭化」とは、何が起きているのか。

炭化とは、空気を絶って木を熱し、炭素の骨格だけを残すことです。燃やせば灰になりますが、空気を断って熱すれば炭が残ります。

木の成分は、ヘミセルロースが180℃あたり、セルロースが275℃前後から分解しはじめます。このとき水分やガスが煙になって抜け、あとに残るのが炭です。黒炭は400〜700℃で焼き、窯の中で消します。

焼きすぎても、足りなくてもいけない

完全に炭化しきらない部分が、ほんの少し残るくらいがいい。
焼きすぎると「焼き炭」になって、火持ちが悪くなる。

焼きすぎた炭はすかすかになり、早く燃え尽きます。足りなければ煙が出て、ぜます。この境目を、五日間の煙と匂いだけで見極める。土窯に温度計はありません。頼りは、三十年の勘だけです。

窯出しの日、土窯から炭を運び出す竹内伸さんと折谷孝良さん(富山県朝日町笹川)

窯出しの日、笹川の窯場にて

MAKER

いま焼いているのは、
二人だけ。

ほたる炭の炭焼き職人・竹内伸さん

竹内たけうち しんさんと、折谷おりたに 孝良たかよしさん。

竹内伸さんは笹川の生まれ。炭焼きを始めて、およそ十五年になります。

きっかけは、近所の人に誘われたこと。ただ、すぐにできるものではありません。人についていき、仕事を見ながら、少しずつ体で覚えていったといいます。

かつて二十人いた炭焼きも、高齢化が進み、いまは二人。
この土地の木を、この土地の窯で、この土地の人が焼く。
その最後の二人が、笹川の炭を繋いでいます。

HISTORY

笹川の炭焼き、五十年の変遷。

この集落の炭焼きは、暮らしの仕事から、一度は消えかけ、そしてグループの手で繋ぎ直されてきました。

  1. 〜50年以上前 暮らしの仕事

    どこの家でも、炭を焼いていた

    山に入って炭を焼き、生計を立てていた時代。どの家も炭を焼き、冬場には出稼ぎに行くほど盛んでした。炭は、この土地の暮らしそのものでした。

  2. 衰退期 消えかけた火

    山に入る人が、いなくなっていった

    燃料がガスや石油へ移り変わり、炭を焼く人は年々減っていきました。笹川の炭焼きは、最後の世代を残して途絶えかけます。

  3. 約30年前〜現在 今に繋ぐ

    窯を築き、炭焼きグループを立ち上げた

    約三十年前、当時まだ若かった職人たちが窯を築き、炭焼きグループを立ち上げました。消えかけた技術をそこで受け継ぎ、窯を移しながら焼きつづけてきた。それが、いまのほたる炭です。

日本の炭焼きは、どれくらい古いのか

縄文期より前の遺跡からも木炭が見つかっているといわれます。古墳時代の出土品には備長炭に匹敵する硬さの炭もあり、千数百年前にはすでに高度な製炭技術がありました。

理由は単純です。一度炭にすれば腐らず、エネルギーを蓄えたまま保存できるから。木のままでは腐りますが、炭なら何年でも置いておけます。土窯で煙を見ながら焼くほたる炭は、その古い方法をそのまま受け継いだものです。

春の笹川。桜と水仙が咲く清流と、富山県朝日町の里山の風景

VILLAGE

蛍の飛びかう里、
朝日町・笹川。

富山県下新川郡朝日町の笹川地区。町の中心から車で十分ほど、山にかこまれた人口二百四十人ほどの集落です。

集落を貫くのは、澄んだ笹川。春は桜と水仙、初夏の夜には蛍が舞います。「あさひ舟川 春の四重奏」やヒスイ海岸で知られる朝日町の、山あいにある里です。

炭は、山の木がなければ焼けません。山を守ることと、炭を焼きつづけることは同じことだと思っています。

HOW TO USE

炭のある時間を、楽しむ。

堅木の黒炭は、着火しやすく火力が強いのが持ち味。ぜないので、炭火に慣れていない方にも扱いやすい炭です。

バーベキューコンロに組んだほたる炭に火を起こしているところ
焚きつけから炭へ、火を移していきます。着火の早さは黒炭の得意なところです。
白い灰をかぶった炭火の上で、スキレットの野菜を焼いているところ
全体が白い灰をかぶれば、焼きどき。ふたをかぶせれば蒸し焼きにもなります。

バーベキュー・キャンプ

着火が早く、火力が立ち上がりやすい黒炭は、屋外の炭火に向いています。ぜないので、火の粉が飛ぶ心配がありません。

七輪・囲炉裏・炭火焼き

強い遠赤外線で、外は香ばしく中はふっくら。匂いが少ないので、魚や肉の味を炭の匂いが邪魔しません。

暖をとる

火鉢や炭火のストーブに。炎を上げずに長く熱を出す炭火は、静かで、やわらかい暖かさです。

災害への備えとして

炭は腐りません。置いておくだけで何年も保ちます。停電しても、炭が一袋あればお湯を沸かし、煮炊きができます。

上手な火の起こし方

  • まず細めの炭を組み、着火剤や焚きつけで火をつけます。
  • 火がまわるまでは、あおぎすぎないこと。空気の通り道をつくるように積むのがコツです。
  • 全体が白っぽい灰をかぶったら、調理に適した状態です。
  • 足し炭は、火のついた炭の上に重ねるようにすると早く熾ります。

保管と後始末

  • 炭は湿気を吸います。袋のまま段ボールや缶に入れ、乾いた場所で保管してください。
  • 使い残しは火消し壺などで消せば、「消し炭」として次回また使えます。消し炭は着火が早く便利です。
  • 火が消えたように見えても内部は高温です。完全に冷めるまで、可燃物のそばに置かないでください。
  • 屋内で使う場合は、必ず換気をしてください。

PRODUCT

ほたる炭 7kg/2,000円

富山県朝日町笹川産・原木堅木使用。二人で焼いた分だけの、数量限定です。

ほたる炭 7kg の商品パッケージ。富山県朝日町笹川産・原木堅木使用と書かれた白いラベル

富山県朝日町笹川産

ほたる炭(原木堅木使用・黒炭)

2,000(税込)/ 7kg

笹川の里山の堅木を、土窯で五日かけて焼き上げた黒炭。使いやすい長さに切り揃え、一袋ずつ手で詰めています。

品名ほたる炭(木炭・黒炭)
原料原木堅木(ナラ・ケヤキ・サクラなどの広葉樹)
産地富山県下新川郡朝日町笹川
内容量7kg/袋
価格2,000円(税込)
製法土窯・黒炭(火入れ5日/冷まし7日)
お届け宅配便でお送りします(送料別)

天然の木のため、太さ・長さ・形は一本ずつ異なります。二人で焼ける量に限りがあり、品切れの際はお待ちいただくことがあります。

購入・在庫について問い合わせる
袋を開けたほたる炭。切り揃えられた堅木の黒炭
袋の中身。使いやすい長さに、一本ずつ鋸で切り揃えています。

FAQ

よくあるご質問

「堅木(かたぎ)」とは何ですか?

硬い木と書いて堅木。ナラ・ケヤキ・サクラなど、目が詰まって重い広葉樹のことです。密度が高いぶん、焼き上がった炭も硬く締まり、火持ちがよく、灰が少なくなります。ほたる炭は、笹川の里山の堅木の原木だけを使って焼いています。

市販の安い炭と何が違いますか?

火持ち・火力・匂いの少なさ、そしてぜないことの四つです。安価な炭(多くは外国産)が弾けるのは、内部に水分や未炭化の部分が残っているため。しっかり炭化させているためぜません。

備長炭(白炭)とは何が違いますか?

ほたる炭は「黒炭」です。白炭(備長炭)が高温で焼いて窯の外で消すのに対し、黒炭は低めの温度でじっくり炭化させ、窯の中で消します。白炭は着火しにくい代わりに火持ちが長く、黒炭は着火しやすく火力が強い。ふだん使いには黒炭が扱いやすいと思います。

一窯を焼くのに、どれくらいかかりますか?

火入れに5日間、そのあと窯を冷ますのに7日間ほど、合わせて12日ほどかかります。火入れの5日間は、煙の色と匂いだけを頼りに、焚き口と排気口の大きさを変えながら空気の量を調整しつづけます。窯から離れられない5日間です。

どんな木を使っていますか?

笹川の里山に育つ広葉樹です。ナラは火力・火付きともによく、扱いやすさで言えば一番。ケヤキは火持ちがよく火力も強い代わりに少し火が付きにくい。サクラは料理に使うとよい香りが立ちます。これらを特に選り分けず、混ぜて一つの「ほたる炭」として焼いています。

炭がぜることはありますか?

ほたる炭はぜません。ぜる原因は、炭の内部に水分や炭化しきっていない部分が残っていることです。5日間かけてしっかり炭化させているため、パチパチと弾けることがありません。ただし保管中に湿気を吸うと弾けることがあるので、乾いた場所で保管してください。

一年中買えますか?

はい、通年ご購入いただけます。ただし二人で手作業で焼いているため、お出しできるのは焼けた分だけです。まとまった量をご希望の場合や、品切れの時期には、お待ちいただくことがあります。

大量に注文できますか?飲食店で使いたいのですが。

ご相談ください。生産量に限りがあるため、まずは必要な量と時期をお知らせいただけると助かります。匂いが少なくぜない炭なので、炭火焼きのお店との相性はよいと思います。

見学や体験はできますか?

窯は山あいにあり、火入れ中は5日間つきっきりの作業になります。取材・見学をご希望の場合は、時期のご相談を含めてお問い合わせください。

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富山県下新川郡朝日町笹川

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ほたる炭 7kg/2,000円(税込)

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