ほたる炭読みもの

停電に備える。炭は腐らない備蓄燃料です

備蓄しやすい袋入りのほたる炭

災害への備えというと水と食料が先に浮かびますが、見落とされがちなのがです。

炭は、腐らない燃料です。一度炭化させた木は、乾いた場所に置いておけば何年でも使えます。カセットボンベのような使用期限の目安もありません。

富山県朝日町・笹川で炭を焼く立場から、備蓄燃料としての炭について書きます。

炭が腐らない理由

炭は、木を蒸し焼きにして、腐る成分そのものを抜いた素材です。

微生物が分解できる糖やデンプンはガスとして抜け、炭素の骨格だけが残っています。だから虫もつかず、カビの栄養にもなりません。エネルギーを保存する技術の先駆けが炭だった、と言うこともできます。

かつての日本では、炭俵に詰めて運び、蓄えていました。冬を越す燃料を秋のうちに備えておく。備蓄という使い方は、炭にとってむしろ本来の姿です。

袋を開けたほたる炭
袋を開けたほたる炭

停電時に炭でできること

炭が一つあれば、お湯を沸かせます。

お湯があれば、温かい飲みもの、レトルト食品、カップ麺、赤ちゃんのミルクに対応できます。七輪かバーベキューコンロが一つあれば、調理もできます。

  • 湯沸かし・調理:鍋ややかんをそのまま火にかけられます
  • 長時間の火:火持ちのよい炭なら、少ない本数で火が続きます
  • :屋外での焚き火より扱いやすく、煙も少なくすみます

ガスや電気の復旧を待つ数日間を、炭がつなぎます。

必ず守ること:屋内で使わない

先に、いちばん重要な注意を書きます。

炭は、締め切った屋内・テント内・車内で燃やしてはいけません。一酸化炭素中毒のおそれがあります。使うのは屋外か、換気を十分に確保した場所だけです。消火後も炭は長時間高温なので、可燃物のそばに置かないでください。

備蓄の話をするなら、この注意とセットでなければ意味がありません。

備蓄する炭の選び方

備蓄に向くのは、しっかり炭化した原木の炭です。理由は二つあります。

一つは火持ちです。密度の高い堅木の炭は少ない本数で長く燃えるので、備蓄量あたりの実用時間が長くなります。

もう一つはぜないことです。非常時は、ふだん火を扱わない家族が火のそばにいることもあります。火の粉が飛ぶ炭は、その状況では危険が大きい。炭化が中心まで届いた炭は爆ぜません。炭が爆ぜる理由は別の記事に書きました。

保管は、湿気を避けて袋のまま置くだけです。押し入れやガレージの隅で構いません。

窯場に積まれた炭
窯場に積まれた炭

ふだん使いながら備える

備蓄のコツは、しまい込まないことです。

年に数回のバーベキューや七輪で使い、減ったら買い足す。いわゆるローリングストックです。炭は劣化しないので、この回し方と相性がよい燃料です。

ほたる炭は、笹川の土窯で火入れに5日かけて焼いた黒炭です。7kg入りなので、家族で使う備蓄の単位としてもちょうどよい量です。性質の詳細は市販の炭との違いにまとめています。