ほたる炭読みもの

バーベキューの炭は何キロ必要か。人数別の目安

コンロで炭を組んで火をおこしているバーベキューの様子

バーベキューの炭は、大人1人あたり0.5〜1kgを目安に用意すると計算しやすくなります。2時間ほどの食事なら、4人で3〜4kg、8人なら10kg前後が目安です。

風が強い日や、コンロを2台使う日は、この目安を1.5〜2倍に増やしてください。

炭が少なすぎると、火が細くなって食材に火が通りにくくなります。逆に多すぎても、余った分は次回に回せるので、迷ったときは少し多めに用意するほうが失敗しにくいものです。

人数と時間から、炭の量を早見する

まずは目安の一覧です。人数と時間を掛け合わせて考えると、量がぶれにくくなります。網焼き中心か、鉄板や串焼きも混じるかによっても燃やしつづける時間は変わりますが、まずはこの表を出発点にしてください。

人数時間の目安炭の量
2人1.5時間1〜2kg
4人2時間3〜4kg
6人2〜3時間4〜6kg
8〜10人3時間10〜15kg

子どもは食べる量も火にあたる時間も短いことが多いので、大人の半分程度で見積もって構いません。焼く食材の量が多い、肉厚なものが多いという場合は、多めに用意しておくと安心です。

近くのコンビニやスーパーで買い足せる場所なら、少なめに用意して途中で調整する手もあります。山や川など買い足しにくい場所へ行くなら、表よりひとまわり多めに持っていくほうが安心です。

なぜ「1人1kg」が目安になるのか

炭は種類によって燃え方が違いますが、黒炭であれば1kgでおよそ1〜2時間燃えます。大人ひとりが2時間の食事で使う炭の量は、この燃焼時間から逆算した数字です。

火を落とさずに焼きつづけるには、燃え尽きる前に炭を継ぎ足す必要があります。目安量には、この継ぎ足し分も含まれています。

最初にすべての炭を熾すのではなく、半分ほどでコンロを立ち上げます。火が弱くなってきたら残りを足していくと、無駄なく使い切れます。継ぎ足すタイミングが早すぎると、炭を余分に消費してしまいます。

炭の火持ちは、木の種類や炭化のさせ方によって変わります。詳しくは「炭の火持ちは何で決まるのか」に書きました。

炭火で食材を焼いている網の上
炭火で食材を焼いている網の上

風の日、コンロが複数のときは量を増やす

屋外の風は、炭の減りを早めます。風が強い日は、目安の1.5〜2倍を用意しておくと、途中で足りなくなる心配がありません。

コンロを2台使う場合も同じ考え方です。使うコンロの数だけ、必要な炭の量も増えます。片方で肉、もう片方で野菜や締めの焼きそばというように役割を分けるなら、それぞれのコンロ分をあらかじめ見込んでおきます。

火起こしに手間取る日も、炭を余分に使います。着火に時間がかかるほど、火がつく前に燃え尽きてしまう炭が増えるためです。

着火剤や新聞紙を使う場合も、湿った炭では火が回りにくく、結果的に多くの炭を消費します。火起こしのコツは「炭の火起こしで失敗する人の共通点」にまとめています。

同じ1kgでも、炭の質で「使える時間」は変わる

ここまでの目安は、あくまで平均です。実際には、同じ1kgでも炭の質によって使える時間が変わります。

質の低い炭は、火がついてもすぐに燃え尽きたり、パチパチと爆ぜて火力が安定しなかったりします。爆ぜる炭は、炭化が十分に進んでいないまま焼き上げられていることが多く、燃え方にもむらが出ます。

笹川で炭を焼く竹内伸さんは、炭化の見極めについてこう話します。

焼きすぎると「焼き炭」になってしまって、火持ちが悪くなる。

炭化が浅くても、逆に焼きすぎても、火持ちは悪くなります。火持ちがよい炭ほど、同じ1kgで長く火力を保てるため、結果として用意する量も少なくて済みます。

私たちが焼くほたる炭は、五日間かけて中心まで炭化させ、火力が強く火持ちのよい黒炭に仕上げています。どの炭を選ぶかで量の計算も変わってくることは、「炭のおすすめは用途で決まる」にも書きました。

袋を開けたほたる炭
袋を開けたほたる炭

7kgならバーベキュー何回分になるか

炭はkg単位や号数で売られていることが多い商品です。家庭用なら3kg前後、キャンプ場や複数家族で使うなら7kg前後の袋が扱いやすい単位です。

たとえば7kg入りの炭なら、4人・2時間のバーベキュー2回分に近い量になります。2人程度の少人数なら、3〜4回に分けて使える計算です。1回で使い切らない量を買って、残りを次回に回すという考え方もできます。

小さい袋を何度も買い足すより、まとまった量を一度に用意しておいたほうが、荷物も買い出しの手間も少なくて済みます。

使い切れなかった炭は、次回のために取っておける

炭は一度炭化させれば腐りません。使い切れなかった炭は、湿気を避けて保管すれば、次のバーベキューでもそのまま使えます。火が消えた後に残った小さな炭も、乾かしておけば次の火起こしの種火として使えます。

炭が長く保存できる燃料だという性質は、防災の備蓄にも活かされています。多めに買って余らせても、無駄にはなりません。量を気にして少なめに買うより、次回のことまで考えて用意しておくほうが、結局は無駄が出にくいということです。

笹川で、いまも二人が炭を焼いている

私たちが炭を焼いている富山県朝日町・笹川は、山にかこまれた人口約240人の集落です。50年以上前は、どの家も冬場に炭を焼いて生計を立てていました。

時代とともに炭を焼く人は減り、一度は途絶えかけました。それでも約30年前、当時まだ若かった職人たちが窯を立ち上げ直しました。いまこの窯は、竹内伸さんと折谷孝良さんの二人が焼いています。

かつて二十人いた炭焼きは、いま二人になりました。
笹川の土窯から煙が上がる様子
笹川の土窯から煙が上がる様子

バーベキューで使う炭の量は、人数と時間で計算できます。それでも、炭を組んで、風を見ながら火を育てる時間そのものが、バーベキューの楽しみの一部だと思います。

目安の量を持って、あとは現地の風と食欲を見ながら足していく。それくらいの余白を残しておくくらいが、ちょうどいいのかもしれません。